• 追加された行はこの色です。
  • 削除された行はこの色です。
  • 1999年 へ行く。

*ヒトシンカ [#sffeaa2e]
 1970年代はじめの日本は公害やオイルショックが大問題になり、関東大震災の再来が語られ始め、終末ブームとでも言うべき様相を呈していた。「世紀末には大気汚染の悪化でガスマスク無しでは外に出られなくなる」という説がかなり真面目に論じられていた。73年には『終末から』という題の雑誌まで創刊されたほどだ。フィクションでは小松左京の『日本沈没』、楳図かずお『漂流教室』、永井豪『デビルマン』などがこの時代の作品である。  
 五島勉『ノストラダムスの大予言』は73年に出版され、世相に乗って大ベストセラーとなった。「16世紀フランスの予言者ノストラダムスが、1999年7月に人類が滅亡すると予言した」という誤解を日本中に広めた。予言の解釈にせよノストラダムスその他についての記述にせよ全く出鱈目であったが、多くの宗教家や疑似科学系ライターがこの世界観を取り入れ、フィクションの世界にも多大な影響を与えた。  
 五島よりも正しくノストラダムスの予言を解読したと称する者も後を絶たなかった。五島自身も『大予言』をシリーズ化して自説を主張し続けた。しかし、当然ながら彼らの解読は、ノストラダムスの意味の分かりにくい詩を自分の空想にこじつけたものでしかなかった。84年、藤子・F・不二雄は『ドラえもん』の「ナゾの予言書」(単行本では「大予言・地球の滅びる日」に改題)というエピソードでこの現象を風刺している。この話でのび太は意味不明な短文と日付をちりばめた本を見つけ、それを見たスネ夫が「これは予言だ」と新聞記事から記述に合う事件を次々と見つけ出していく。そして最後のページにあった「この日○終わり、悲しきかな」という記述を見つけた二人は「地球の終わりだ!」と大騒ぎをし、友達に危機を知らせてまわる。その本はドラえもんの暗号日記だった。彼は地球の滅亡ではなく、好物のどら焼きを食べ尽してしまったことを悲しんでいたのだ。
#htmlinsert(google.txt)
#comment

トップ   差分 バックアップ リロード   一覧 単語検索 最終更新   ヘルプ   最終更新のRSS