*てんどん (項目投稿) [#w35474ca]
  対象の価値を評価する指標のうち、あらゆる対象に任意の高いあるいは低い評価を与えることが可能なものの一つ。費用対効果とも。
 
  映画館で過ごす2時間1800円のコストパフォーマンスは、さて高いか低いか。美しい女性とのデートの一環で楽しむ、相応の設備による大画面、音響によって展開される、手に汗握る壮大なストーリー――コストパフォーマンスは高い。DVDを買いさえすれば何度でも好きな時に見られる、テレビ放映さえ待てば金すら払わずにすむ、少々多めの制作費がかかっただけの映像作品――コストパフォーマンスは低い。いやいや、その2時間を使うことすら惜しい――コストパフォーマンスは最低だ。いずれも、そのコスト2時間1800円に対するある種「正当な」評価であり、コストパフォーマンスという評価指標がいかに個人の主観に左右される脆弱なものであるかが伺える。
 
  ことはそれだけに留まらない。コストパフォーマンスに優れたものは良いものである、という幻想は、そうでないものを攻撃する手段を大衆に与えた。高級車は概して「コストパフォーマンスが悪い」ものだが、これをもって、高級車を乗り回すような奴はコストパフォーマンスを考慮できないバカだ、というルサンチマンが繰り広げられるに至るのだ。この「コストパフォーマンスの悪さ」すらもが、大衆が独自に用意した根拠のない基準によるものであることに無自覚に、である。
 
  本来ある対象のコストパフォーマンスを決定するには、費用(コスト)および効果(パフォーマンス)を測定し、その比をもってコストパフォーマンスとする必要がある。これら費用と効果を正確に測定することが求められない低俗な場においては、コストパフォーマンスという言葉は、ただ投げ放っておくだけで、費用だけでもなく効果だけでもなく「総合的に、多面的に」対象を評価したかのような印象を与えられ、それでいて自分の好きな評価ができる、極めてコストパフォーマンスのよいものとなる。
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