*とつげき東北 [#r25af3eb]

 安直に「悪者」を作り、「改革」を推し進めることによって政治家が利益を得るために語られ、同時に大衆の持つ「役人を見下したい」欲求が、偶然結びついた結果生まれた、驚くべき神話。

 週刊東洋経済において、パソナグループ代表取締役南部靖之氏は次のように語っている。
【霞が関の公務員の事務処理能力の高さには舌を巻く。パソナにも公務員出身者がいるが、プロパー社員が2週間かかって作っていた資料を1日で作ってしまう。しかもわかりやすい。(中略)戦略作り、そのプレゼンテーション能力など、どの民間シンクタンクでもかなわないだろう。(中略)中央官庁に限った話ではない。地方経済が停滞しているのは、人材が流動化していないためだ。地方の優秀な人材は役場と農協が抱え込んでいる。】

 民間が一見効率よく見えるのは、「目に見えたわかりやすい」結果を求めることが許された立場だからである。その分、各種法律、条令、規定等に抵触して種々の是正勧告等を受けることもしばしばある。
 逆に、決して規定等に触れてはならず、目に見えにくい部分まで行き渡った制度・サービスを提供する必要がある「官」の仕事は、どうしても「効率」が落ちるように見える。国民の95%にとって不要なサービスであっても、残り数%の寒村住民にも同じサービスを提供するために2倍コストがかかる、ということは当然起きることである。「5%」を切り捨てて良いなら、「効率化」などいとも簡単である。
 実際、郵政民営化に伴い、いわゆる「田舎」における郵便サービス等が悪化しつつある。集配送拠点が「効率化」のために統合等されたことにより、配送にかかる時間・日数が増加し、同時に職員1人あたりの配送業務も急激に多忙化した。その結果、非正規職員として採用される郵便サービス関係労働者は極めて過酷な業務に安い賃金で従事させられている。

 現在政府において、「市場化テスト」によって官と民が同じ業務を請負い、どちらのサービスがよりコストパフォーマンスが高いかを調査・比較して一部業務を民営化等を検討する試みが行われている。サービスの正確性において官側に有利なことは当然として、コストにおいてさえ、民よりも官の方が良い結果が出ることも多い。優秀な人材がわざわざ受験して集まっているのだから、当然といえば当然なのだが。
 わかりやすい部分以外は「ばれないし、儲からないからいいや」気分で切り捨て、「小さな政府」を作るために色々なものを「民営化」した結果、どんな世界が到来するのか、不安である。


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