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 ■Revin
 (※当記事は、筆者の主催する[[音楽アーティスト評論>http://www.trap-school.com/review-music/wiki/index.php?FrontPage]]で書いた記事の転載です。
   そちらにも興味がある方は上記リンクよりご覧ください。
   音楽に興味がある人や邦楽をよく知る人などを対象にしています)
 
  筆者は昔、音楽評価について次のように考えていた。
 
  「売り上げがよい」=「みんながよい音楽だと思っている」=「本当によい曲である」・・・(A)
 
  単純な論法であったが、時を経るにつれてこの考え方に疑問を抱くようになった。
  以下、本稿では上の考え方(A)を「売上主義」とする。
 
  さて、この売上主義的考え方がそのまま反映された指標がオリコンのCDランキングである。
  オリコンCDランキングとは、全国でのCDの売上枚数について信頼性の高いランキングだ。
  このオリコンはあくまで「販売したCDの枚数」を集計しただけのものであり、本部の者は誰も別にこのランキングこそ音楽の質の順列を規定するなどとは言っていない。しかし我々はしばしばこのオリコンを指し(あるいは暗に指し)、「邦楽界はダメだな」などと嘆いたりすることがある。
  その発言は、万人受けを意識し受け入れてくれる人数を拡大することを狙って作られた楽曲があり、それが多く上位に位置しており、かつ発言者がその意図を見抜き、その楽曲らが大して発言者の琴線に触れなかった時に起こる。
  万人受けする方向性というものは確かに存在し、それに基づいて作られた楽曲がその性質ゆえに多くの人にCDを買ってもらうなどして支持してもらえ、結果としてオリコンの上位に位置することになるのは当然の結果である。
  ここでいう万人受けの方向性とは、別にそれが(セールスを上げるなどの目的などで)意図して行なわれる必要はなく、たまたまそのアーティストの感性が万人受けするものであるケースも存在することも備考としておくとよい。
  音楽をよく聞く人は人口に対して非常に少なく、購買層の中でもごく少数に過ぎない。
  ゆえに、「音楽を聴く時間」などを設け、歌詞カードを片手に高級なヘッドホン・特別なスピーカーを用いて、その間は音楽を聴く以外の行動をせず、視覚さえも音楽を聴く集中に割り当て、「ここのベースラインがたまらない」などと心で呟くような(あくまで一例だが)、音楽に対し造詣が深いマニアは非常に少ない。
  そんな人の心をくすぐり受け入れられるコアな優良曲が、路傍や本屋でかかっていたとかでなければ耳にする機会もないような人にウケる保証があるはずがなく、むしろ逆の現象が起きている。わかりやすく派手でキャッチーでインパクトがあり流行的な要素を持っているものが一般にはよいのである。だがそんなもの、マニアは聞き飽きている。
  もちろんこのマニアにも程度があり、マニアと一般の間に致命的な隔絶はない。モーニング娘。に入れ込んでいる人もいれば、B'zのみ本気で聞く人もいるし、民族音楽からクラシックからテクノからJ-POPまで何でも来いという人もいるだろう。
  そのレベルをきちんと一元化することは今のところできないし、どの層にどんな楽曲が受け入れられるからこの楽曲はマニアックと呼ぶことも難しい(筆者は「慎吾ママのおはロック」のドラムが大好きだ)。
  売上主義的順序(オリコン)と一個人の嗜好が一致しないのは当たり前のことである。
  これが明らかになれば、売上主義と嗜好の幅がどれだけ広がろうと、邦楽界を案じて義憤的な感情を呼び起こされることなく(しかもその感情は少しも邦楽界を案じてなどおらず、自分――あるいは『自分たち』自称音楽通――が評価しないものが全国区で評価されていることに憤慨しているだけである)、自分が凡人離れしていることに安堵するなどできるだろう。
  売上主義の定義にも含んだが、「みんながよい音楽だと思っている」という文句の時点で、あの忌まわしき民主主義が顔を見せることも思い出せばよいだろう(音楽という特殊な分野にも関わらず、豊富な知識を持つ人と凡人の一票が同じ重みを持つとは、何と恐ろしい)。
  そんな決め方をされた順序が、我々マニアの役に立つわけがないではないか。
 
 (この考え方は、『邦楽界クソだな』という発言を何ら規制するものではない。以上のことを理解していれば、その発言は『最近いいと思う曲がない』という意味で発言されているはずだからである)
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