とつげき東北

 陰口等を叩くことは「潔くない」といった精神論から派生し、誰かを批判等している者に対して「言いたいことがあるなら本人に直接言え」といったように用いる紋切り型の俗説。

 この語が使われる局面は、以下のパターンに分類できる。
(A−1)事実上「本人に言う」ことが不可能な場合
(A−2)「本人に言う」ことは可能だが、取り合ってもらえない場合
(A−3)「本人に言う」ことが可能で、しかるべき反応が期待できる場合
(B)「本人」に言うこと以外が目的である場合

(A)においてはすべて、「本人に言う」ことが目的となっている。
(A−1)の例として、サッカー日本代表選手のシュートの下手さを批判した際に掲題語を使われる場合は、名言的である。さらに「シュートが下手というならお前がやってみろ」などと続く場合は救えない。
(A−2)も(A−1)に近い。財務省宛てに個人の「財政改革案」をメールしても無意味である。したがって掲題語をあてがうことは不適切である。
 上記2パターンの場合は、「本人に言いたい」のだが、権力の不足により事実上無効であるという格好の悪さを指摘することは可能だが、「本人に言え」は皮肉として発話される以外名言的になる。
(A−3)の場合は掲題語はおよそ正当である。

 われわれが留意すべきは(B)の例だろう。
 どこかで誰かの悪口を言うとき、特段「本人に直接言う」ことなど求めないことは少なくない。誰かがブスだねとか、やなやつだな、あの曲変だよね、といった言葉は、「本人」とやらに言うべきでないか、言う必要がないからこそ、本人以外に対して放たれたのである。もしも「本人に言われることのない」その批判・文句等が、その場所において相応の笑いや会話上の楽しさを提供するのであれば、それに対して掲題語をあてる行為は著しくセンスを欠いている。「最近あいつ太りすぎやわ。ピザと牛丼のみ繰り返し食ってんのとちゃうか(笑)」「そんなことは本人に言えよ!!」など、耳にしたくない会話である。
 また、(A−1)や(A−2)であることに自覚的であるがゆえに(B)を選択したなら、それは自らの権力の不足を引き受けた上での次善の選択としては正当といえよう。


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Last-modified: 2010-08-24 (火) 18:41:27 (2858d)