とつげき東北

 総合とは、分析の対義語である。したがって例えば、「分析的に」判断ができない対象に、それなりの判断をしたという弁明を与えるために「総合的に判断した」といったことが言われやすい。
 総合判断という言葉は、もとはヘーゲルの「綜合」による弁証法の概念に由来する。

 学力によってのみ合格者を決める東京大学の入学試験結果においては、特段美人が多く入学するわけではないが、能力・人間性等を「総合的に」判断して採用を決める国家公務員採用試験等においては、美人が非常に数多く採用される。ただし、選抜要項のどこにも「顔の作り」が採点基準に含まれる旨の記述はない。

 麻雀において、「相手の手は高そうだ。点数的には若干出遅れている。スジ待ちだし、攻めよう」という判断と、「スジ待ちになった。点数的には若干出遅れているが、相手の手は高そうだ。攻めないでおこう」という判断は、いずれも総合判断である。
 判断根拠の文章の順番を入れ替えただけで、導かれるべき結論の印象が逆転するのである。これは「総合判断」とやらが、その一つ一つの要素を「無視」して、自分にとって都合のよい結論を導出するために悪用される一例である。

Revin

 多くの要素を考慮する必要がある場面や定量化しにくい物事を扱う時に「総合的に判断して」などの形で用いられる。
 「〜〜を満たしていないではないか」などの厳密で明確な反論が不可能であるのをいいことに、自分にとって不利な事項の価値を論者の頭の中で著しく低め(あるいは自分にとって有利な事項の価値を過大評価し)、時には「どう総合的に判断したのか」の説明もぶった切って用いられることがある言葉である。
 もちろんそのような狡猾な目的でばかり使われるわけではないが、大衆論理の温床の一つとなっている。


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Last-modified: 2010-08-24 (火) 18:41:13 (2861d)