ヒトシンカ

 虚構の代わりに、漫画やゲーム、インターネットなど具体的なメディア名が入ることもある。これらに共通するのは、割と新しいメディアであることである。1986年のアニメ映画『ドラえもん のび太と鉄人兵団』で、宇宙からロボットの兵団が攻めてくると騒ぐのび太達を、ママがマンガと現実の区別がつかなくなったのだと決め付ける(が呑気に家事を続けている)シーンがある。また1985年の『ことばを失った若者たち』(桜井哲夫、講談社現代新書)にもこのパターンの考えが見られる。主に若者の猟奇殺人などの犯罪がこのパターンと結び付けて語られる。しかし、これらの犯人達の発言には「ゲームをしているようだった」というような内容のものはあっても、比喩の範囲で説明でき、自分がテレビの前でゲームをしているという妄想を持っていたものはない。彼らは虚構と現実の区別を付けていたからこそ、書店やテレビルームから出て、わざわざ外で犯罪を行なったのである。

リセットボタン


トップ   差分 バックアップ リロード   一覧 単語検索 最終更新   ヘルプ   最終更新のRSS
Last-modified: 2010-08-24 (火) 18:40:41 (2861d)